中絶のリスクについて|手術前に確認しておきたいこと
かえでレディースクリニック福岡博多

Abortion Risk

中絶手術は適切な医療機関で行われる場合、安全性の高い手術ですが、医療行為である以上、一定のリスクが伴います。

「どんなリスクがあるのか」「自分には関係あるのか」を事前に正しく理解しておくことで、自分にとって納得のいく選択ができ、中絶を選んだ場合も安心して手術に臨めます。

この記事では、中絶手術のリスクの全体像と、リスクに影響する要因について、婦人科専門医がわかりやすく解説します。

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目次

中絶のリスク

中絶手術の主なリスクとしては、以下のものが挙げられます。

出血・感染症 術後に出血が続いたり、子宮内に細菌が入り込んで感染症を起こすことがあります。
遺残・頸管遺残 手術で取り切れなかった妊娠組織が、子宮内に残った状態です。出血が長引く原因になる場合があります。
子宮の損傷 稀に、手術中の器具が子宮壁や子宮頸管を傷つけることがあります。
子宮内癒着 子宮内膜が傷つくことで子宮腔同士が癒着し、月経量の減少や不妊の原因になる場合があります。
不妊・不妊症 子宮内癒着や感染症の重症化によって、将来の妊娠・出産に影響が出る場合があります。適切な術式・術後ケアで受けた場合、不妊になるケースは極めて稀です。
麻酔による病状 吐き気・めまいなどが術後に現れることがあります。
精神的な不調 ホルモンバランスの変化や、手術という経験そのものが精神的な負担になる場合があります。

中絶手術のリスクはゼロではありませんが、適切な時期と術式で、経験ある医療機関のもとで手術を受けることで、リスクを大幅に下げることができます。

厚生労働省の調査によると、初期中絶手術における重篤な合併症の発生率は初診0.317%と報告されています。そのうち子宮穿孔・子宮破裂は0.019%、輸血を要する大量出血は0.014%と、いずれも極めて稀です。

それぞれの症状の詳細や対処法・受診すべき危険なサインについては、「中絶後になりやすい病気とは?症状・合併症・メンタルの変化について」の記事で詳しく解説しています。

参考:経口妊娠中絶薬に係る人工妊娠中絶の実態調査及び適切な情報提供等に関する研究

中絶リスクに影響する4つの要因

  • 妊娠週数
  • 手術方法の選択
  • 母体の健康状態
  • クリニックの体制

中絶手術のリスクは、すべての人に同じように現れるわけではありません。リスクの大きさは、上記の4つの要因によって変わります。

1.妊娠週数

妊娠週数が早いほど、手術の負担や合併症のリスクは低くなります。

妊娠初期(12週未満)

子宮や頸管への負担が小さく、比較的短時間(クリニックによっては日帰り)で手術が終わります。身体への負担が少なく、合併症のリスクも低い時期です。

妊娠中期(12〜22週未満)

週数が進むほど子宮が大きくなり、処置が複雑になります。中期中絶では子宮収縮を促す処置(陣痛を起こして排出する方法)が必要になるため、身体への負担や出血・感染症のリスクが高くなります。手術は、入院が必要になるケースがほとんどです。

日本では妊娠22週以降の中絶手術は法律上認められていません。手術を検討している場合は、できるだけ早めに婦人科へご相談ください

2.手術方法の選択

初期中絶の術式には、主に吸引法と掻爬法(そうはほう)があります。掻爬法は以前から広く行われてきた術式ですが、器具で子宮内をかき出すため子宮内膜を過剰に削る可能性があり、場合によっては、子宮内癒着などの合併症リスクが比較的高いとされています。

一方、吸引法は子宮内を吸引で子宮内容物を取り出す方法で、子宮内膜への負担が少なく、WHOが推奨する術式です。手動真空吸引法(MVA)と電動吸引法(EVA)があり、いずれも掻爬法と比べて合併症のリスクが低いとされています。

実際に、厚生労働省の調査では、術式別の合併症発生率についても報告されており、掻爬法では0.401%、吸引法では0.195%と、吸引法の方が合併症リスクが約半分であることが示されています。

当クリニックでは安全性を重視し、子宮への負担軽減に配慮した手術をご提案しています。

3.母体の健康状態

基礎疾患や持病がある場合、手術や麻酔のリスクが通常より高まる場合があります。持病や既往歴、服用中の薬がある場合は、事前に医療機関へ正確に伝えることで、リスクに応じた対応が可能になります。

4.クリニックの体制

手術の安全性は、医師の経験やクリニックの体制によっても大きく左右されます。以下のような点を受診前に確認しておくと安心です。

  • 手術を行う医療機関が母体保護法指定医であるか
  • 術前に感染症などの検査が行われるか
  • 術後の経過観察・検診がしっかり行われるか
  • 異常があった際に、すぐ対応できる体制が整っているか
  • 不安や疑問を相談できる機会があるか

中絶による妊娠・出産への影響は?不妊になる?

適切な術式・術後ケアのもとで中絶手術を受けた場合、手術そのもので将来の妊娠・出産に影響が出るケースは極めて稀です。複数回手術を受けた場合でも、妊娠への影響はほとんどないとされています。

ただし、感染症が重症化した場合や、子宮内癒着が生じた場合は、将来の妊娠・出産に影響が生じるリスクがあります。

術後の感染症は早期発見・早期治療が重要です。また、妊娠週数が早いうちに、子宮内膜への負担が少ない術式で手術を受けることが、子宮内癒着リスクの軽減につながります。

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中絶のリスクを最小限にするために、術前に医療機関へ伝えておくべきこと

手術を安全に行うために、術前の問診では以下のことを正確に伝えてください。隠したり曖昧にしたりすることで、思わぬリスクが生じる場合があります。

アレルギーの有無

薬や麻酔、ラテックスなどに対するアレルギーがある場合は必ず申告してください。アレルギー反応は術中・術後に現れるケースもゼロではありません。事前に把握しておくことでリスクを回避できます。

現在服用中の薬

薬によっては手術前に服用を一時中断する必要があるため、市販薬やサプリメントも含めて伝えるようにしましょう。特に、出血をさらさらにする薬(抗凝固薬)やホルモン剤は、出血量や麻酔の効き方に影響することがあります。

既往歴・持病

子宮筋腫や子宮奇形などの婦人科系の疾患、喘息・心疾患などの全身疾患、パニック障害・うつ病などの精神的な疾患、そのほか既往歴現在治療中の病気がある場合はすべて申告してください。術式や麻酔の選択に影響する場合があります。

過去の手術歴・中絶歴

帝王切開や開腹手術など子宮・腹部への手術歴過去の中絶手術の経験がある場合も伝えておきましょう。クリニック側が、子宮の状態や癒着のリスクを事前に把握できます。

最終月経日・妊娠週数

最終月経の開始日を把握しておくと、妊娠週数の確認がスムーズです。妊娠週数によって術式や入院の必要性が変わるため、できるだけ正確に伝えるようにしましょう。

医療機関には法的な守秘義務があり、問診でお話しいただいた内容が外部に漏れることはありません。患者様の承諾なしに、お話しいただいた内容がパートナーや家族に知られることはありませんので、安心してお伝えください(※未成年の方の場合、手術の際には保護者の同意が必要となります)。

中絶手術のご相談は、かえでレディースクリニック福岡博多へ

中絶手術のリスクはゼロではありませんが、妊娠週数が早いうちに適切な術式で、信頼できる医療機関で手術を受けることで、リスクを大幅に下げることができます。

かえでレディースクリニック福岡博多では、産婦人科歴25年以上の院長と熟練スタッフが、術前の検査・カウンセリングから術後の経過観察まで一貫してサポート。WHOが推奨する吸引法を採用し、子宮への負担を最小限に抑えた手術を行っています。

「リスクが心配」「どの術式がベストか分からない」などの不安や疑問も、お気軽にご相談ください。