流産手術とは?(妊婦支援給付制度対応)
かえでレディースクリニック福岡博多
Miscarriage
流産は全妊娠の約15%に起こり、決して珍しいことではありません。妊娠経験のある女性の約4割が経験しているとされる症例ですが、いざ手術を検討するとなると、痛みや生活への影響など不安が尽きないものです。
この記事では、皆様が抱える不安を少しでも解消できるよう、流産手術の方法から費用、給付金制度までを整理して解説していきます。
流産とは?
流産とは、妊娠したにもかかわらず、妊娠22週より前の早い時期に胎児が亡くなってしまう状態を指します。そのうちの約80%は妊娠12週までに起こる「早期流産」です。
早期流産の原因のほとんどは受精卵の染色体異常によるものであり、お母様の生活習慣や行動が原因ではありません。ご自身を責めず、まずは心身を休めることを優先してください。
流産手術とは?
流産手術(子宮内容除去術)とは、子宮の中に残ってしまった内容物を、専用の器具を用いて丁寧に取り出す処置のことです。
当クリニックでは、患者様のお身体への負担を最小限に抑えるため、静脈麻酔を使用し、眠っているような状態で手術を行います。実際の処置にかかる時間は10分程度と短く、心身ともにストレスを軽減できるよう努めています。
手術終了後はリカバリールームにて麻酔からゆっくりと目覚めていただき、医師が体調に異常がないことを確認した上で、その日のうちに日帰りでお帰りいただけます。
なお、安全な手術と麻酔管理を行うためには、事前の診察や体調確認、必要な検査が不可欠です。そのため、初診当日の即日手術には対応しておりませんので、あらかじめご了承ください。
流産手術のメリット・
デメリット
メリット
- あらかじめ手術日を決めるため、お仕事などのスケジュール管理がしやすい。
- 処置によって子宮内をきれいにするため、治療期間が最短で済み、追加の処置が不要になることが多い。
- (自然排出を待つ場合と比較して)出血や痛みが続く期間を短縮できる。
デメリット
- 手術や麻酔に伴う副作用や、稀に合併症が起こる可能性がある。
- 術後にトラブル(軽い痛みや少量の出血など)が一時的に起こる場合がある。
- 保険適用ですが、手術のための費用がかかる。
- 安全性を最優先するため、即日の手術は受け付けていない。
当クリニックの流産手術が受けられない方・注意が必要な方
当クリニックでは、患者様の安全を第一に考え、以下に該当する方の手術はお断り、または専門医療機関へのご紹介を行っております。
| ①内科的合併症をお持ちの方 | 重度の持病がある場合、設備の整った総合病院等での処置が望ましい場合があります。 |
|---|---|
| ②お薬を服用中の方 | バイアスピリンなどの血液をサラサラにするお薬を服用中の方は、一定の休薬期間が必要ですので、診察時に必ずご相談ください。 |
| ③妊娠12週以降の方 | 当クリニックでの手術は妊娠12週未満(早期流産)を対象としております。12週以降の中期流産手術には対応しておりませんので、あらかじめご了承ください。 |
自然排出とは?
自然排出とは、手術などの処置を行わず、子宮の収縮という身体の自然な力によって流産が完了するのを待つ方法(待機的管理法)です。
「稽留流産」と診断された後、1〜2週間ほどで月経のような腹痛や出血が始まり、内容物が排出されます。期間には個人差があり、出血が始まってから1~2日程度で完了しますが、長引くと1週間以上かかる場合もあります。
ただし、出血が始まっても内容物が完全に出し切れなかったり、予期せぬ多量出血が起きたりするリスクも伴います。以下のような場合は、安全のため速やかに当クリニックへご連絡ください。
- 診断から1〜2週間経っても排出が始まらないとき
- 出血が非常に多い、または痛みが強く不安を感じるとき
- 発熱などの症状があるとき
自然排出のメリット・
デメリット
メリット
- 手術や麻酔によるお身体への介入(リスク)を避けられる
- 手術費用がかからない
デメリット
- いつ排出が始まるか予測できず、お仕事や外出などの予定が立てにくい
- 排出時に強い痛みや多量出血を伴う可能性がある
- 不全流産(内容物が残る)となり、最終的に手術が必要になる場合がある
流産手術と自然排出の比較
早期流産が判明した際、手術を行うか、身体の自然な力で内容物が出るのを待つ(待機的管理)かを選択します。
| 比較項目 | 流産手術(当クリニックのMVA法) | 自然排出(待機的管理) |
|---|---|---|
| 方法 | 医療器具で計画的に内容物を取り除く | 身体の自然な排出を待つ |
| 所要時間 | 短い(手術自体は10〜15分程度) | 長い(数日から1週間以上かかることも) |
| 痛み | 配慮されている(麻酔下で行い、術後は軽度) | 強い可能性がある(陣痛のような痛み) |
| メリット | スケジュール管理がしやすく、出血期間が短い | 手術や麻酔のリスクを避けられる |
| デメリット | 手術・麻酔の費用がかかる | いつ始まるか予測不能。不全流産のリスク |
当クリニックでは、精神的・身体的な負担を考慮し、流産手術(MVA法)を推奨するケースが多いですが、最終的には患者様のご希望を最優先に決定いたします。
流産手術の痛みは?
手術そのものは静脈麻酔によって「深く眠っているような状態」で行うため、痛みに配慮されています。
一般的に、流産手術において「痛い」と心配される原因の多くは、実は手術前に行われる「子宮の入り口(子宮頸管)を広げる処置」にあります。従来の方法では、ラミナリアという水分で膨らむ棒状の器具を挿入し、時間をかけて広げるため、強い痛みや不快感を伴うケースが少なくありませんでした。
かえでレディースクリニック福岡博多では、こうした術前処置に対する不安や痛みを軽減するため、「先に静脈麻酔を行って、眠ってから」子宮口を広げる処置を開始します。
術中はもちろん、手術前の段階から痛みへの配慮を行っていますので、どうぞ安心してお任せください。
術後の痛みについて
手術が終わった後は、子宮が元の大きさに戻ろうと収縮するため、月経痛に似た「重い痛み」を感じる方もいらっしゃいます。
- 経過:痛みは数日から1週間程度で徐々に落ち着いていきます。
- 対策:痛みの感じ方には個人差がありますが、当クリニックでは適切な痛み止めを処方いたします。お薬でコントロールできる範囲の痛みがほとんどですので、まずは落ち着いてお過ごしいただき、気になる症状があればご相談ください。
流産手術の流れ
ご予約・術前検診
WEBまたは電話で予約。血液検査や超音波検査を行い、安全に手術できるか確認します。
手術当日(約10〜15分)
問診後、静脈麻酔下で手術を行います。しっかりとお休みいただいている間に完了します。
休憩・ご帰宅(約1〜2時間)
個室のリカバリールームで麻酔が覚めるまでお休みいただき、当日のうちにご帰宅いただけます。
術後検診(1〜2週間後)
子宮の回復状態をチェックします。今後の妊活についてもご相談いただけます。
流産絨毛染色体検査
(POC検査)とは
流産というお辛い経験に直面したとき、「どうしてこうなってしまったのか」という疑問が消えないのは当然のことです。
当クリニックでは、流産手術を受けられた方を対象に、流産後の絨毛(じゅうもう)や胎児組織(POC:product of conception)の染色体を調べる「POC検査」を実施しています。
「絨毛」とは胎盤を構成する組織の一部で、お腹の赤ちゃんと全く同じDNA(染色体)で構成されています。そのため、この絨毛を詳しく調べることで、流産の原因が赤ちゃんの染色体異常によるものだったのかどうかを判別することが可能です。
早期流産の原因は、その60%から80%が胎児側の偶発的な染色体異常であると報告されています。検査によって原因を探ることは、単に結果を知るだけでなく「自分のせいではなかった」と心の整理をつけ、次回以降の妊娠計画を前向きに立てるための大切なステップとなります。
POC検査の流れ
POC検査は、以下の手順で慎重に実施いたします。
検体の採取
流産手術で採取された組織の中から、胎盤絨毛や胎児組織を丁寧に取り出します。正確な結果を得るために、母体側の組織が混ざらないよう細心の注意を払って選別します。
検体の輸送
組織の鮮度や状態を保つため、適切な保存環境を維持したまま速やかに専門の検査施設へと輸送します。
解析の実施
検査施設にて、高精度な解析機器を用いて染色体の数や構造に異常がないかを詳しく分析します。
結果のご説明
分析完了後、医師から患者様へ結果を詳しくお伝えします。検査の申し込みから結果のご報告まで、通常2〜3週間ほどお時間をいただいております。
参考: 日本産婦人科医会「流死産絨毛・胎児組織(POC:product of conception)染色体検査 (POC 検査)」
流産手術とPOC検査の費用
かえでレディースクリニック福岡博多では、流産手術を原則として健康保険適用にて行っております。
手術費用(3割負担の場合)の目安は以下の通りです。
| 流産手術(MVA法) | 約 20,000 円 |
|---|
妊婦支援給付制度
当クリニックは、こども家庭庁が実施する「妊婦支援給付制度」の申請に必要な診断書発行の対応院です。
この制度は、令和7年(2025年)4月1日より開始されました。人工妊娠中絶や流産、死産を経験された方も、一定の要件を満たす場合には給付の対象となり、心身および経済的な負担を軽減することを目的としています。
| 対象となる方 | 医療機関で胎児心拍が確認された後に、流産・死産・中絶となった方 |
|---|---|
| 給付内容 |
・妊娠認定時(心拍確認後など)に5万円 ・妊娠終了後(出産・流産・死産・中絶を含む)に、胎児1人につき5万円 合計10万円が自治体より支給されます。 |
当クリニックでは、各自治体(福岡市など)への申請に必要な診断書(1通15,000円)の発行が可能です。
制度の運用や申請手続きの詳細は、お住まいの市区町村(福岡市の場合は各区の保健福祉センターなど)の窓口へお問い合わせください。
ご不明な点や費用に関するご相談は、お電話でも承っております。
TEL: 0120-882-201
日帰り流産手術・POC検査のご相談は、かえでレディースクリニック福岡博多へ
流産という経験は、女性にとって心身ともに言葉では言い表せないほどの大きなストレスを伴うものです。
早期に起こる流産の原因のほとんどは、赤ちゃんの染色体異常など「防ぐことが難しい要因」によるものだといわれています。妊娠に気づく前の行動や、お仕事の忙しさ、運動などが原因ではありません。どうか、ご自身を責めて苦しまないでください。
かえでレディースクリニック福岡博多では、患者様のお身体への負担を軽減するため、WHOが推奨する吸引法(MVA法)を採用し、短時間で終わる日帰りの流産手術をご提供しています。
手術の内容や痛みへの恐怖はもちろん、術後の経過や「次の妊娠」に対する不安についても、お一人おひとりの疑問に丁寧にお答えします。流産手術について悩まれたり、お一人で抱え込みそうになったりしたときは、まずは当クリニックへご相談ください。
よくあるご質問 Q&A
Q.
流産にはどんな種類がありますか?
胎児がお腹に留まる「稽留流産」、出血や腹痛がある「進行流産」、一部が残る「不全流産」などがあります。診察の結果に基づき、現在の状況を丁寧にご説明しますので、まずは落ち着いて受診してください。
Q.
術後の出血はいつまで続きますか?
術後、少量の出血が見られることがありますが、通常1〜4週間程度で徐々に落ち着いていきます。ただし、月経時より多い出血や、強い腹痛が長引く場合は、速やかにクリニックへご連絡ください。
Q.
流産手術の後、生理はいつからはじまりますか?
個人差がありますが、手術後1ヶ月〜2ヶ月程度で再開するのが一般的です。2ヶ月以上経っても再開しない場合は、ホルモンバランスや子宮の状態を確認するため、一度クリニックまでご相談ください。
Q.
流産手術を受けると不妊になるのではと心配です。
適切に行われた手術が不妊の原因になることはありません。当クリニックのMVA法は子宮内膜に優しく、むしろ感染症等のリスクを防ぎ、将来の妊娠に備えるための処置ですので、安心してお任せください。
Q.
流産手術をした後、仕事への復帰はいつからできますか?
手術当日を含め3日間ほどは安静を推奨しています。その後は体調を見ながら再開可能ですが、立ち仕事や力仕事については、術後検診で医師と相談の上で判断するようにしてください。