中絶後になりやすい病気とは?症状・合併症・メンタルの変化について
かえでレディースクリニック福岡博多
Afterabortion Disease
中絶手術は、医療機関において適切な手順で行われるものですが、医療行為である以上、稀に身体や心の変化が生じる場合があります。
この記事では、中絶後に起こりうる身体的な合併症や精神的な症状、そして術後を安心して過ごすためのポイントを、婦人科専門医が解説します。
中絶後になりやすい病気・合併症
- 感染症(子宮内膜炎・骨盤腹膜炎)
- 絨毛・胎盤遺残
- 子宮収縮不全
- 子宮の損傷
- 子宮内癒着(アッシャーマン症候群)
- 出血過多
- 麻酔による合併症
中絶手術後には、いくつかの身体的な合併症が起こる可能性があります。多くの場合は適切な処置によって回復しますが、対処が遅れると重篤化するリスクもあるため、正しい知識を持っておきましょう。
感染症(子宮内膜炎・骨盤腹膜炎)
中絶手術後の合併症として比較的多いのが、子宮内膜炎や骨盤腹膜炎などの感染症です。手術時に外部から細菌が子宮内に侵入したり、もともと保有していた細菌が手術をきっかけに増殖したりすることで引き起こされます。
| 主な症状 | 発熱(37.5度以上)、下腹部の痛みや張り、おりものの増加・悪臭、全身の倦怠感 |
|---|
感染症は、術前の検査や術後の抗生剤投与によってリスクを下げることができます。治療が遅れると骨盤腹膜炎に進行し、将来の不妊の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
絨毛・胎盤遺残
絨毛・胎盤遺残とは、手術で取り除ききれなかった妊娠組織(絨毛や胎盤の一部)が子宮内に残っている状態です。
| 主な症状 | 術後も出血が長く続く、突然の大量出血、下腹部痛、発熱を伴うことも |
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遺残した組織は感染源になる場合があり、そのまま放置すると子宮内感染や大量出血につながる恐れがあります。術後の超音波検査(エコー検査)で確認できるため、術後検診は忘れずに受けましょう。
子宮収縮不全
子宮収縮不全(子宮復古不全)とは、手術後に子宮が正常に収縮せず、元の大きさに戻るのが遅れる状態です。
| 主な症状 | 術後の出血がなかなか止まらない、下腹部のだるさや鈍い痛み |
|---|
収縮が不十分だと出血が長引いたり、感染リスクが高まったりします。
子宮の損傷
子宮の損傷は、手術中に器具が子宮壁や子宮頸管を傷つけることで起こります。発生頻度は低いものの、起きた場合は迅速な対応が必要です。
| 主な種類と症状 |
子宮穿孔:器具が子宮壁を貫通した状態。強い腹痛、内出血、発熱など 子宮頸管損傷:器具による頸管の裂傷。出血が主な症状 |
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経験豊富な医師による手術や、妊娠週数に応じた適切な術前処置を行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。
子宮内癒着(アッシャーマン症候群)
アッシャーマン症候群とは、手術によって子宮内膜が傷つき、子宮壁同士が癒着している(くっついている)状態です。
| 主な症状 | 術後の月経量が極端に減る、または無月経、下腹部の周期的な痛み |
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発症頻度はそれほど高くないものの、子宮内膜を繰り返し傷つけることで不妊・不育症のリスクが上がるとされています。妊娠週数が早いうちに、適切な術式で手術を受けることが予防につながります。
出血過多
術後の一定期間の出血(悪露)は正常な経過ですが、量が多すぎる場合は注意が必要です。
| 主な症状 | 大量の出血(ナプキンを1〜2時間おきに交換する程度)、レバー状の血の塊が繰り返し出る、2週間以上の出血 |
|---|
出血過多の背景には、前述の絨毛・胎盤遺残や子宮収縮不全、感染症などが関係していることが多いです。正常な術後出血との判別が難しい場合は、自己判断せずに医師へ相談してください。
麻酔による合併症
中絶手術では、患者様の負担を軽減するために静脈麻酔が用いられる場合が多くあります。
麻酔は安全性が高いものですが、術後の吐き気・嘔吐、アレルギー反応(発疹、かゆみなど)、呼吸器系への影響が発生するリスクもゼロではありません。
術前に既往歴やアレルギーを正確に申告しておくことで、多くのリスクを事前に回避できます。
すぐに受診すべき危険なサイン
術後の回復には個人差がありますが、以下のような症状が現れた場合は、次回の検診を待たずにすぐに医療機関を受診してください。
| 発熱 | 37.5度以上の熱が続く |
|---|---|
| 出血 |
ナプキンを1〜2時間おきに交換するほどの大量出血 術後2週間以上出血が止まらない |
| 下腹部痛 | 処方薬を飲み安静にしていても治まらない強い痛み |
| 異常なおりもの | 悪臭や、膿(うみ)のようなおりものが続く |
| 吐き気・嘔吐 | 水分も取れないほど強い症状が続く |
「様子を見ればよくなるかも」と放置すると症状が悪化し、治療が長引く原因になります。
少しでも不安を感じたら、遠慮なくご相談ください。早期に対処することで、重篤な合併症への進行を防ぐことができます。
中絶後に起こりうる精神的な症状
- うつ症状や無気力
- 不眠
- フラッシュバックや悪夢
- 罪悪感や自己嫌悪
中絶後は、身体的な変化だけでなく、心にも大きな影響が現れやすいです。
手術後にホルモンバランスが急激に変化することに加え、中絶という経験そのものが精神的なストレスとなり、さまざまな症状を引き起こす場合があります。
術後の心の変化は多くの場合、適切なケアによって回復していきます。「考え過ぎかもしれない」「自分の心が弱いから」とご自身を責めず、必要なサポートを積極的に求めてください。
術後を安心して過ごすために
- できるだけ早い時期に手術を受ける
- 適切な術式で手術を受ける
- 術後の安静期間を守る
- 術後検診を必ず受ける
- 異変を感じたらすぐ医師に相談する
中絶手術は適切に行われれば安全性の高い手術ですが、術後の過ごし方や早期対処によって、合併症のリスクをさらに下げることができます。
できるだけ早い時期に手術を受ける
妊娠週数が早いほど、手術の負担や合併症のリスクは低くなります。時間が経つほど子宮や頸管への処置が複雑になるため、手術を検討している場合はできるだけ早めに婦人科へご相談ください。
適切な術式で手術を受ける
中絶手術の術式には、吸引法や掻爬法などがあります。WHOが推奨する吸引法は、子宮内膜への負担が少なく、アッシャーマン症候群などの合併症リスクが低いとされています。
術式については、事前に医師にしっかり確認しておきましょう。
術後の安静期間を守る
術後は子宮が回復途中のデリケートな状態です。安静を保つようにしましょう。安静にする期間や過ごし方については、必ず担当医の指示に従ってください。
術後検診を必ず受ける
気になる自覚症状がなくても、術後検診は必ず受けてください。超音波検査(エコー検査)で組織遺残や子宮の回復状態を確認することができ、合併症の早期発見につながります。検診は通常、術後1〜2週間を目安に行います。
異変を感じたらすぐ医師に相談する
発熱・大量出血・強い腹痛・悪臭のあるおりものなど、気になる症状があれば次の検診を待たず、すぐに手術を受けたクリニックにご連絡ください。早期に対処することで、重篤な合併症への進行を防ぐことができます。
中絶後の不安は、かえでレディースクリニック福岡博多へ
中絶後に起こりうる身体的な合併症の多くは、術前・術後の適切な対応によってリスクを下げることができます。
かえでレディースクリニック福岡博多では、産婦人科歴25年以上の院長と熟練スタッフが、丁寧かつ迅速に対応。術前の丁寧な検査・カウンセリングから、術後の経過観察まで一貫してサポートいたします。
中絶手術をご検討中の段階であっても、まずは妊娠週数の確認だけでもお気軽にご来院ください。
よくあるご質問 Q&A
Q.
中絶後、どのくらい出血が続くのが正常ですか?
術後の出血(悪露)は、個人差はありますが一般的に1〜2週間程度続くことがあります。徐々に量が減っていくのが正常な経過です。2週間以上出血が続く場合や、ナプキンを1〜2時間おきに交換するほどの大量出血、レバー状の血の塊が繰り返し出る場合は、早めに受診してください。
Q.
症状がなければ、中絶後の検診は行かなくてもいいですか?
中絶手術の術後検診は、必ず受けてください。自覚症状がなくても、超音波検査(エコー検査)によって妊娠組織の遺残や子宮の回復状態を確認することができます。早期に異常を発見することで、重篤な合併症への進行を防ぐことができます。
Q.
中絶後にかかりやすい病気はありますか?
感染症(子宮内膜炎・骨盤腹膜炎)や、妊娠組織の遺残による出血、子宮収縮不全などが比較的起こりやすいとされています。いずれも早期発見・早期治療が重要です。術後に気になる症状があれば、遠慮なくご相談ください。
Q.
中絶後に子宮がんになりやすくなりますか?
中絶手術そのものが子宮がんの原因になるという医学的な根拠は現在のところありません。ただし、子宮頸がんの主な原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)は性行為によって感染するため、性行為を再開する際には適切な感染予防を心がけることが大切です。また、術後は子宮の状態を確認する良い機会でもあります。中絶後の検診と合わせて、子宮がん検診やHPV検査を受けておくことをおすすめします。