堕胎と中絶の違いとは?法律・医療の観点からわかりやすく解説
かえでレディースクリニック福岡博多
Abortion Difference
「堕胎」と「中絶」は、医学的には同じ行為を指します。ただし、使われる文脈や法律上の意味は異なります。
この記事では、婦人科クリニックの立場から、堕胎と中絶の言葉の意味、法律上の位置づけ、中絶手術の条件について正確にわかりやすく解説します。
堕胎と中絶の違い
堕胎と中絶は、どちらも人工的に妊娠を終了させる行為を指しており、医学的な意味では同じです。
現代の医療現場や行政では「人工妊娠中絶」という表現が正式に用いられています。「堕胎」は主に刑法の条文の中で登場する法律用語です。
そのため、どの場面で使われる言葉かによって違いが生じるといえるでしょう。
| 言葉 | 主な使用場面 |
|---|---|
| 中絶(人工妊娠中絶) | 医療現場・行政・日常会話 |
| 堕胎 | 法律(刑法)・歴史的・否定的なニュアンス |
法律上の「堕胎」とは?
日本の刑法では、「堕胎」を人為的に胎児を母体外へ排出し、死亡させる行為と定義しており、原則として罪(堕胎罪)にあたります。
刑法上はこのように「堕胎」を広く禁止していますが、一定の条件を満たす場合は母体保護法によって合法な手術として認められます。
堕胎罪の種類(刑法212〜216条)
自己堕胎罪(212条):妊婦本人が薬物やその他の方法で、自ら堕胎した場合
同意堕胎罪(213条):妊婦の同意を得て他者が中絶を行った場合
業務上堕胎罪(214条):医師などの業務者が、同意を得て中絶を行った場合
不同意堕胎罪(215条):妊婦の同意なく行った場合
不同意堕胎致死傷罪(216条):不同意堕胎により、女性に死傷の結果が生じた場合
医療上の「中絶」とは
医療現場で行われる「中絶(人工妊娠中絶)」は、母体保護法という法律に基づいた合法的な手術です。
母体保護法とは
母体保護法は、母体の生命・健康を保護することを目的とした法律です。この法律に定められた条件を満たす場合に限り、都道府県知事が指定した医師(指定医)が中絶手術を行うことが認められています。
刑法と母体保護法の関係
「堕胎は刑法で禁止されているのに、なぜ中絶は合法なのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
これは、母体保護法が刑法の特例として機能しているからです。
刑法(原則):堕胎は禁止
母体保護法(例外):一定の条件を満たす場合のみ、指定医による手術を合法と認める
つまり、母体保護法の要件を満たした手術=合法な人工妊娠中絶であり、それ以外の行為が刑法上の「堕胎罪」にあたる可能性があります。
中絶が違法になりうるケースには以下のようなケースが挙げられます。
中絶が違法になりうるケース
- 指定医以外の者が手術を行った場合
- 妊娠22週以降に手術を行った場合
- 妊婦本人の同意なく行われた場合
- 配偶者の同意が必要なケースで同意を得ていない場合
- 個人で入手した薬を自己判断で使用した場合
など
中絶には原則として、配偶者(婚姻関係にあるパートナー)の同意が必要ですが、婚姻していない場合(未婚)は、相手男性の同意は法律上不要です。詳しくは、中絶の同意書とは?既婚・未婚・未成年のケース別に解説をご覧ください。
また、SNSや海外サイトから個人で入手した「中絶薬」の自己使用は大変危険ですし、法的にも問題になります。必ず医療機関にご相談ください。
人工妊娠中絶ができる期間と手術方法
母体保護法のもとで認められている中絶手術の期間は、妊娠22週未満(21週6日まで)です。
妊娠週数によって「初期中絶」と「中期中絶」に分かれ、手術の方法・入院の要否・行政手続きが大きく異なります。
初期中絶(妊娠12週未満 / 11週6日まで)
| 手術方法 | 吸引法・掻爬(そうは)法、または経口中絶薬(2023年国内承認) |
|---|---|
| 入院の要否 | 原則として日帰り手術が可能 |
| 行政手続き | 死産届の提出は不要 |
| 麻酔 | 静脈麻酔など |
中期中絶(妊娠12週〜22週未満 / 21週6日まで)
| 手術方法 | 人工的に子宮収縮(陣痛)を起こして分娩させる |
|---|---|
| 入院の要否 | 数日~1週間の入院が必要 |
| 行政手続き | 死産届の提出と胎児の埋葬が法律上義務づけられている |
| 麻酔 | 局所麻酔や硬膜外麻酔(施設により異なる) |
妊娠22週以降は、いかなる理由があっても人工妊娠中絶を行うことは法律で禁じられています。
妊娠に気づいた場合は、中絶を検討している段階であっても、できるだけ早く婦人科に相談し、妊娠週数の正確な診断を受けてください。週数が早いほど、身体への負担・手術のリスク・費用のすべてを抑えることができます。
中絶手術を受けるために必要な条件
- 妊娠の継続または分娩が、身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれがある場合
- 暴行・脅迫によって妊娠した場合(性犯罪による妊娠)
母体保護法では、中絶手術が認められる条件として上記を定めています。また、手術は都道府県知事が指定した母体保護法指定医が行う必要があります。
かえでレディースクリニック福岡博多の中絶手術
かえでレディースクリニック福岡博多では、産婦人科医として25年以上の経験を持つ母体保護法指定医が、患者さまのプライバシーに十分配慮した環境で診療を行っています。
妊娠12週未満の初期中絶手術に対応しており、安全性を重視し、患者さまの状態に応じた術式をご提案しています。
手術費用は妊娠週数によって異なりますが、妊婦支援給付制度をご利用いただくことで、自己負担が大幅に軽減される場合があります。当クリニックは同制度に対応しており、申請に必要な診断書の発行も行っています。
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妊娠週数の確認だけの受診や、今後の選択肢についてのご相談のみでも構いません。一人で悩まず、まずはご来院ください。